阿含経を旅して

阿含の教えに学ぶ

報酬回路の運用法、側坐核瞑想法

ブッダの成仏法、七科三十七道品のうち、実に五科までに説かれているのが、精進することです。 精進根、精進力、精進覚支、正精進、勤神足 これらは言うまでもなく、がむしゃらに精進するのではなく、ブッダの智慧に基づいて精進することであります。 人はた…

ブッダが説いた祖霊を完全解脱に導く聖地

ヒンドゥー教の古い伝承によれば、ガンジスのほとり、ベナレスはそこで供養を受けた祖霊は必ず解脱するといわれる「三聖地」のひとつとされます。 そのような聖地が本当にあったら、ヒンドゥー教徒のみならず、全世界の仏教徒が参集することでしょう。 じつ…

ブッダは占いを禁じたか?

パーリ長部経典、沙門果経において、ブッダは占いを禁じています。 ところが一方で、三十二相は肯定的に説かれています。三十二相とは、赤ん坊のシッダールタを抱き、この子はのちに仏陀になると予言したアシタ仙人が用いた占術でした。スッタニパータには、…

気づきの瞑想? その4

サティ、漢訳で、念の修行です。 これをちまたで気づきと訳されています。これは念の一部を意味するだけであって、誤解を生みやすい訳です。 たとえば、阿含経には、六念、あるいは六随念という術語があります。これは、仏、法、僧、戒、施、天の六つを念じ…

気づきの瞑想? その3

気づきの瞑想、その代表的瞑想が四念処観ですが、このごろはYouTubeでも指導動画がアップされるなど、注目されています。 仏教の瞑想修行に興味をもたれるかたは、とにかく、テクニックをはやく知りたがるわけです。そこで、YouTubeでということなんでしょう…

気づきの瞑想? その2

気づきの原語はパーリ語で「sati」サンスクリット語で「smṛti」です。 その原義は想起すること、鮮明に想起して心を繋ぎとめ続けることです。 記憶するという意味もありますが、satiを妨げる記憶もあります。 桐山靖雄師は、深い意識の記憶には、随眠とよば…

ブッダの瞑想法を成就させる絶対条件

ブッダの瞑想を成就するための、絶対条件とは、神霊の加護と導きです。 ヨーガスートラにも、自在神への祈念によって三昧が得られる。自在神は太古のグルたちにとってもグルである。とあるように、神霊の導きによって瞑想が成就することを説きます。 仏陀も…

仏陀の大脳開発法02

しかしながら、ブッダの教えのどこに、やる気のスイッチが大脳基底核の側坐核にあるなどと説かれているのか?と疑問にもたれるかたもいらしゃるでしょう。 パーリ聖典のアーナパーナ・サンユッタには、 「我、心行を覚して入息せん」と学し、「我、心行を覚…

仏陀の大脳開発法

四神足はブッダの成仏法の核ともいえる、瞑想による大脳の開発であることは、以前ご紹介しました。欲神足は倶舎論記などで「欲三摩地断行成就神足」などと解説されますが、要するに意欲を自在に制御する瞑想法です。人間なにをなすにも意欲がなかったらでき…

瞑想をはじめて陥る魔境

瞑想を始めるということは、脳をいじるということでもあります。かき回すといってもいいかもしれません。瞑想によって潜在意識が目覚め始めると、潜在意識に封じ込められていた様々な抑圧意識が出現することがあります。 私の場合は、瞑想をはじめてから、し…

気づきの瞑想?

欧米でmindfulnessという初期仏教の瞑想法の一部が切り取られて、流行しています。それがまた逆輸入されてアジア諸国や日本でもよく、マインドフルネスとか、気づきの瞑想とか言われるようになりました。 簡単に言えば、自分の心や身の回りに起きることを注…

仏陀の呼吸法で沙門果が得られるか?

沙門果として、 (四禅の次に)「自身の身体が、元素から成り、父母から生まれ、食物の集積に過ぎず、恒常的でない衰退・消耗・分解・崩壊するものであり、意識もその身体に依存している」と悟れる (= 「身念住」(身念処))(その次に)「思考で成り立つ…

四神足法は間脳を制御する技術

間脳は自律神経の中枢を担っています。交感神経も、副交感神経も間脳から出発して、延髄を通り全身の末梢神経へと伸びています。 自律神経とは文字通り、自律して動く神経で、心臓や肺臓、胃腸などのすべての臓器を支配しています。ところで、呼吸だけは、自…

教えの限界を突破する四神足法

ブッダは思想家としては、縁起、四諦、八正道の教えを説きました。けれども、これらの思想をどんなに理解しても、人間の心からは、貪瞋痴はなくなりません。大脳辺縁系に根ずく動物時代の名残をそのままにして、どんなに聖典を聞かせても、返って、自己抑圧…

四神足法と間脳

阿含宗開祖である、桐山靖雄師は、たびたびご著書のなかで、大脳の働きを自在にコントロールする技術が阿含経の成仏法である四神足法のなかにあったと指摘されています。 もちろん、阿含経には大脳にかんする記述はありません。そもそも大脳という名称と定義…

ブッダの成仏法と大脳

1983年、世界的に著名な科学ジャーナリスト、アーサーケストラーはこの本のなかで、『驚くばかりの人類の技術的偉業。そしてそれに劣らぬ社会運営の無能ぶり。この落差こそ、人類の病のいちじるしい特徴出ある。』とし、その原因を脳の構造上の欠陥を指摘し…

仏教の世界観と大脳の構造

仏教の世界観は三界といわれる欲界、色界、無色界の三層構造になっています。 起世經卷第八 於三界中。有三十八種衆生種類。何等名爲三十八種。諸比丘。 欲界中有十二種。 色界中有二十二種。 無色界中復有四種。 諸比丘。何者欲界十二種類。謂地獄。畜生。…

いま仏教徒がなすべきこと。

149 あたかも、母が己が独り子を命を賭けても護るように、そのように一切の生きとし 生けるものどもに対しても、無量の(慈しみの)こころを起すべし。150 また全世界に対して無量の慈しみの意を起すべし。 上に、下に、また横に、障害なく怨みなく敵意なき(慈…

阿含経の先祖供養

墓を作ったマハー・ローマハンサ 一 我、塚墓中に人骨を置きて臥床(寝床)を作れり。村民は近づきて多くの様を示せり。二 また他のものは香・花・鬘、多種多様の食物、その他の捧げものを(世に関する)倦怠の意を以て、手にて持ち来たれり。三 我に苦をな…

阿含経の先祖供養

パーリ聖典 餓鬼事経から先祖供養のお経です。 戸外鬼事 一 彼らは住家の外に、または街の四辻に立ち、あるいわ古き各自の家に行きて戸口に 立つ。二 過去の業によって多く食物や飲物、堅き食物、軟らかき食物の供えられたる時、この世の因縁あるものは、誰…

阿含経に説かれた「本地垂迹説」

前回、さまざまな因縁に苦しむ衆生に対して、その衆生の目線にまで下りてくださり、共に因縁解脱を目指してくださるような仏さまがいたら、素晴らしいことではないでしょうか。釈迦牟尼世尊こそ、そうした大慈大悲のお力を持つ仏さまでした。 と、述べました…

阿含経を依経とする阿含宗がなぜ密教系の諸仏を礼拝するか。

そもそも、大日如来も、不動明王も観世音菩薩も歴史上の人物ではありません。 阿含経を依経とす阿含宗が、こうした密教系の諸仏諸菩薩を礼拝することに、違和感を感じる方がいても不思議ではありません。 そもそもこうした尊格は仏の持つ救済力や智慧、徳な…

阿含経と密教

阿含宗は阿含経を依経としながら、密教の様式で阿含経を実践しています。 これは、以前ご紹介したとおり、密教の様式は仏舎利を供養するための形式として最高の形式であるから採用しているということです。 仏教には成仏法と供養法があります。 成仏法は七科…

先祖供養はなぜ必要か?

ブッダの直説の経典、阿含経を紐解いてみますと、ブッダは先祖供養の大切さ、お墓の大切さを説いていたことは確かなことです。また、霊的なさまざまな障りがあることもお経のなかにはいくらでも出てまいります。また釈尊の弟子や信者たちは、その教えを素直…

パーリ長部経典のアータナータスッタからわかること

パーリ長部経典のアータナータスッタからわかること ①Vシネマまっさおの威容をもつ四天王がブッダに仏弟子を悪鬼から守るための呪を教えた。 ②呪は二部構成からなり、第一部は過去七仏と、四天王それぞれの神様の賛嘆と帰依からなる内容 ③第二部はそれでも邪…

小説 あの世とこの世の中間地帯

阿含経に説かれる霊的世界の話は山ほどありますが、あまり論文調でまとめましても、面白くないと思いまして、阿含経をもとに、愚輩がよけいな脚色をして阿含経の霊的世界を一筆したためたものです。 主人公のダンは二十歳代の若者ですが、お話はこのダン青年…

阿含経のなかの悪霊退散のはなし

このお経はじつは南方上座部仏教では邪霊を払うために今も唱えられているパリッタ(護呪)です。 伝承によると、ヴェーサーリーという国で疫病が蔓延しました。人々はさまざまな霊障除災の儀式を試みますが、まったく効果がないのです。そこで、ブッダに来て…

ところで十善業とは

雑阿含経 1039 淳陀経 このお経は十善業が詳説されています。 バラモンの儀礼的な浄行を実践する淳陀長者にたいして、 黒法には黒報、不浄には不浄の果があり、重い荷を背負えば下に向かうように、早朝、沐浴のあと、これは清浄なりと口にするような儀礼をい…

阿含経に説かれていた霊障 

長阿含経 世記経 忉利天品 2 このお経はではなぜ霊障が起こるのかという原因にたいして釈尊が教えます。 仏は、比丘に告げられた。「一切の、人々の住んでいる家々には、すべて鬼神がおり、空虚なところはない。一切の、通りや路地、大きな四つ辻にも、また…

執筆予定

●阿含経で説かれていた霊障 ●在家でも阿羅漢になれるのか?出家仏教から在家仏教へ。 ●阿含経に説かれた神通力と成仏法 ●ブッダの成仏法とは因縁解脱法のこと ●阿含宗は阿含経を依経としながら、なぜ架空の仏である十三仏をお祀りするか ●仏母凖胝尊如来につ…