阿含経を旅して

阿含の教えに学ぶ

阿含の星まつりのご聖火の秘密

盛大に催される冬の風物詩、阿含の星まつりですが、この星祭りの炎はどうやって得るかご存知でしょうか。

マッチ、ライター、はたまたオリンピックの聖火のように太陽からレンズを通していただくとか。。。

どれも違うんですなあ。

この火はじつは、開祖、桐山靖雄大僧正が、念の力ひとつで起こしたものなんです。

これをいいますと、それみたことかと、強い違和感を覚えたり、巷のカルト教団と十把一絡げに決めつける方がおられるかもしれません。

しかし、じつは念の力で出す火炎というものは、阿含経にも、そして上座部の持つ律蔵にも、たくさん出てきます。

阿含経の例をいちいち挙げていたら、切りがありませんのでざっと述べますと、

ブッダの得意とする禅定が、火界定といいまして、体から火炎を発する瞑想なんです。

これは、全身から発せられるブッダの凄まじいエネルギーが、火炎のように見えるということもありますが(これを理の護摩といいます)、じっさいに火炎となるということも描かれています。

火界定に入った高僧にとって、オーラも実際の火もべつに違いはないようです。パーリの律蔵には、僧侶たちから頼まれ、指から火をだして夜道を照らしていた僧が、村の者にあやしまれ、以後、ブッダからめったに火を出さないようにと戒められたという話もあります。

摩訶迦という高弟は、村の長者の招きでたずねた先で、雨をふらしたり、火炎を発して積み上げた薪を焼き尽くしたとあります。『雑阿含経・摩訶迦経』

ブッダの火界定といえば、有名なのが、ウルヴェーラの神変とよばれる出来事です。バラモン護摩堂に住まう龍神を、身から放つ火炎で調伏してしまいます。バラモンたちは火界定のすごさに驚いて、みな帰依してしまいました。

 

仏典を読んでいきますと、この火炎にはおおよそ三つの役割があるとおもわれます。

①調伏と教化

②場の浄化

③神通力の証明

阿含宗の開祖、桐山靖雄大僧正も、火界定にはいって火を得た、同時に火龍さまから頂いたと述べられていますから、星祭りの火炎は、ブッダとおなじ火界定にはいった開祖が、火龍さまからいただいた火炎をもってお焚き上げしているわけです。

また、火龍さまは、阿含経では、ブッダの眷属ですから、ブッダの命をうけて、火炎を開祖にもたらしたともいえると思います。

また、このご聖火をもって、すべての護摩法要でお焚き上げしますから、阿含宗護摩法要は、ブッダの火界定を原点とすることは明白であります。

それでは開祖の言葉をもって締めくくります。

『念力の護摩は、瞑想によって火を出すという、瞑想の極致であり、止観(ブッダの瞑想)の極致なのです。『摩訶迦経』の摩訶迦尊者の火光三昧も、ほぼ同じだと考えてよいでしょう。ようするに、ともに源流はお釈迦さまの瞑想(止観)なのです。』