阿含経を旅して

阿含の教えに学ぶ

2020-01-01から1年間の記事一覧

小説 あの世とこの世の中間地帯

阿含経に説かれる霊的世界の話は山ほどありますが、あまり論文調でまとめましても、面白くないと思いまして、阿含経をもとに、愚輩がよけいな脚色をして阿含経の霊的世界を一筆したためたものです。 主人公のダンは二十歳代の若者ですが、お話はこのダン青年…

阿含経のなかの悪霊退散のはなし

このお経はじつは南方上座部仏教では邪霊を払うために今も唱えられているパリッタ(護呪)です。 伝承によると、ヴェーサーリーという国で疫病が蔓延しました。人々はさまざまな霊障除災の儀式を試みますが、まったく効果がないのです。そこで、ブッダに来て…

ところで十善業とは

雑阿含経 1039 淳陀経 このお経は十善業が詳説されています。 バラモンの儀礼的な浄行を実践する淳陀長者にたいして、 黒法には黒報、不浄には不浄の果があり、重い荷を背負えば下に向かうように、早朝、沐浴のあと、これは清浄なりと口にするような儀礼をい…

阿含経に説かれていた霊障 

長阿含経 世記経 忉利天品 2 このお経はではなぜ霊障が起こるのかという原因にたいして釈尊が教えます。 仏は、比丘に告げられた。「一切の、人々の住んでいる家々には、すべて鬼神がおり、空虚なところはない。一切の、通りや路地、大きな四つ辻にも、また…

執筆予定

●阿含経で説かれていた霊障 ●在家でも阿羅漢になれるのか?出家仏教から在家仏教へ。 ●阿含経に説かれた神通力と成仏法 ●ブッダの成仏法とは因縁解脱法のこと ●阿含宗は阿含経を依経としながら、なぜ架空の仏である十三仏をお祀りするか ●仏母凖胝尊如来につ…

阿含宗ではどのように仏舎利をお祀りしているか

阿含宗は阿含経を依経として立宗された仏教の本道をいく宗教ですから、当然釈尊の真正仏舎利をお祀りするには、最高の格式を以てお祀りしています。以下開祖桐山靖雄大僧正猊下の文章を引用させて頂きます。 密教最極深秘の如意宝珠法による護摩 もとより、…

ブッダのご聖骨をどのようにお祀りするか?

アーナンダがブッダに質問しました。「転輪聖王の葬いの方法はどのようであるのですか」仏は阿難に告げた。「転輪聖王の葬いの方法は、まず初めに香湯でその体を洗い、新しい木綿の布でぐるりと体全体をつつみ、五百枚の織布で次々とつつむ。体を金の棺に入れ…

釈迦牟尼時代の先祖供養

ブッダはアートマンを認めていない。よって霊魂を認めず、先祖供養なども認めなかったという方が少なからずいるのですが、原典を素直に読めば、阿含経やパーリ聖典には先祖供養のはなしが随所にちゃんと説かれています。 なぜか仏典を近代合理主義の尺度でば…

バラモン文化の上に成立した仏教

阿含経などを読み進めていくと、巷で言われるように、ブッダの教えとバラモン思想は油と水のように相反するものではないものがわかります。 またバラモン思想とか、バラモン教というと、一般社会と乖離した感じがしますが、当時の古代インドでは、芸術も文化…

釈迦牟尼が説いた先祖供養の必要性 

「アーナンダよ。 ヴァッジ人が(都市の)内外のヴァッジ人のヴァッジ霊域を敬い、尊び、あがめ、支持し、そうして以前に与えられ、以前に為されたる、法に適ったかれらの供物を廃すことがない間は、ヴァッジ人には繁栄が期待され、衰亡は無いであろう。」 中…

スルーされた釈迦牟尼仏の教えの原点

『輪廻する葦』1982年刊の古い本ですが、内容はいまもなお警鐘と示唆に満ちた、現代社会に必読の書であるといっても過言ではない、極めて優れた良書だと思います。 この本で著者が訴えたかったことは、私の理解ではつぎのようになります。 その① ひとつは、…

阿含宗にお祀りされている仏舎利

カニンガムと仏舎利 カニンガムは、1862年に設立されたインド考古学調査局長官となり、精力的な発掘調査を行いました。その報告は逐次まとめられ、1872- 87にわたり、カニンガムシリーズとして23巻出版されました。それが『REPORTS OF THE ARCHAEOLOGICAL SU…

仏塔に隠された秘密

本日のネタ本です。 仏塔とは、とサンスクリット語でストゥーパといいます。 そもそも仏塔とは、主に釈尊の舎利や、聖者の舎利を納めたいわば骨壺です。 秘密その① ストゥーパの原語 インドの最古の聖典『リグ・ヴェーダ』には、樹木の冠、火炎の冠、天地を…

阿含の星まつりのご聖火の秘密

盛大に催される冬の風物詩、阿含の星まつりですが、この星祭りの炎はどうやって得るかご存知でしょうか。 マッチ、ライター、はたまたオリンピックの聖火のように太陽からレンズを通していただくとか。。。 どれも違うんですなあ。 この火はじつは、開祖、桐…

世界最大の護摩法要 阿含の星祭り

https://www.agon.org/hoshimatsuri/about.html 護摩法要は、阿含宗ではもっとも大切にしている法要です。 そもそも、この護摩法要とは何なのでしょうか。 どういった意味があるのでしょうか。 以下は阿含宗出版部から発行されたアゴン・マガジン、別冊『阿…

『タイの僧院にて』青木保著 中公文庫を読んで。

この本は、リアルな上座部仏教(最初期の仏教に近いとされる仏教)の様子をかいまみることができる貴重な書籍です。そのなかには、最高位のお坊さんといえども、重要事項の決定にさいして相談にいくという、人気絶大な呪術僧の話(p.217)、また、悪霊に憑りつ…

護摩法要を条件付きで勧めた釈迦牟尼世尊

南伝の上座部であるパーリ仏典、長部経典の梵網経では、護摩に否定的と考えられる箇所があります。 『沙門や婆羅門のなかには、護摩のような無益徒労の知識により、間違った生活をするものがいる』 この一文で阿含宗は釈尊の禁止した護摩をなぜたくのかと疑…